カウズに集まった205隻の艇
カウズに集まったアメリカスカップの歴史を飾った艇が205隻集まりました。
Photo by: Louis Vuitton Media Centre/Jon Nash


マッチレースの決勝
イギリスシンジケートへ売られていった韋駄天がプラダのルナ・ロッサ1号艇とマッチレースの決勝で戦いました。
Photo by: Prada Challenge for America's Cup 2003


チームニュージーランド
アメリカスカップはチームニュージーランドのトム・シュナッケンバーグに抱えられ、記念大会でカウズへ里帰りしました。
Photo by: Prada Challenge for America's Cup 2003


12メートル級部門で2位
プラダのシンジケートヘッドであるベルテリ氏が所有するNyalaが37隻が参加した12メートル級部門で2位になりました。
Photo by: Prada Challenge for America's Cup 2003

 

ルイヴィトン・アメリカスカップ・ジュビリー
150周年記念大会


8月18日から25日までの1週間、イギリスのカウズにアメリカスカップの歴史を飾った205隻が集まり、アメリカスカップ150周年を祝いました。イギリスにカップが戻るのにはこういった方法しかないのではないか・・・などと皮肉を言われながらも、アメリカスカップがこれほど長い歴史を刻むヨットレースになったことに、あらためて感心させられます。ビクトリア女王が何気なくヨットレースに寄贈したカップがアメリカからオーストラリアへ渡り、またアメリカに戻りながらもニュージーランドへととられてしまい、イギリスからはどんどん遠ざかっていきます。それでも、歴史に名を残す名艇が集まりました。特にプラダが冠になった12メートル級ワールドチャンピオンシップには37隻がエントリーし、歴史だけでなく、現在まで続くヨット熱をアピールしていました。優勝したのはスエーデンのスベリエで、プラダのベルテリ氏が所有するNyala(1838年建造)が準優勝をかざりました。12メートルは建造年度に応じて古い艇には時間のハンディキャップがつきます。しかし、古い艇になればなるほど美しさがたまりません。

92年から採用されたACクラスには9隻がエントリーしましたが、開発競争の厳しいACボートゆえに、新しいボートのほうが速いわけで、2000年チャレンジの中から参加したプラダのルナ・ロッサ1号艇(ITA45)とイギリスチャレンジがニッポンチャレンジから購入した韋駄天(GBR52)がマッチレースの決勝に残り、ルナロッサが今回は勝ちました。3位はチームニュージーランドのNZL32(1995年艇)、4位はイギリスが日本から買ったGBR41(1995年艇)でした。

記念イベントという中でしたが、イギリスチームが活動を始めたばかりにして、ACボートで見事なレースぶりを見せてくれました。韋駄天はアンディー・グリーンがプレスタートのヘルムスマンをつとめ、スタート後はイアン・ウォーカーが舵を持ちました。また、41はアンディー・ビーズワースがスキッパーをつとめました。新しい若い力というのがカップのベテラン達を相手に多いに期待できそうです。アンディー・グリーンはマッチレースにデビューしたての頃(もう5年以上前になります)に新人賞をとった熱心なマッチレーサーでしたし、イアン・ウォーカーはプロテストが得意なオリンピックメダリスト(470男子でアトランタ銀、スターでシドニー銀)です。マッチレースのサーキットへ行くことは今の審判がルールをどう解釈しているかをアップデイトするために大切なポイントになっています。ウォーカーのヨットレース必勝セオリーがACでも通用するのか、興味がつきません。

現在、どのシンジケートもボートの研究開発とマッチレースのサーキットを並行して活動していますが、北半球が秋になると、各シンジケートとも、ボートをオークランドへ移動し、10月頃から3月頃までオークランドでセーリングになります。チャレンジャーを決めるルイヴィトンカップが始まるまで、あと1年となりました。チームニュージーランドが弱体したとオークランド市民は心配するふしがありますが、彼らの着実な研究開発はとまることなく進んでいます。彼らはどのシンジケートが怖いといった固定観念は全くもたず、自分達が速い艇を開発できなければ負けると、前回以上のアイデアを考えています。次のACはボートハンドリングの差だとか、レース海面の風を知る競争だとか言われていますが、最後に勝つのは、やはり速いボートを作ったところでしょう。新艇の建造が近くなるにつれ、各シンジケート周辺には厳しいバリアーがはりめぐらされる状況になってきました。今からは秘密をあばくというよりも、たぬきのばかしあいになる中で真実を見つけることが大切になってきそうです。冬場にオークランドへ行く計画のある皆さんはしっかりと様子を見てきてください。
(2001年8月25日発信)


文  斉藤愛子
写真1 Louis Vuitton Media Centre/Jon Nash
写真2・3・4 Prada Challenge for America's Cup 2003
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