ルイヴィトンカップ ファイナル 1月10日


明日から始まるルイヴィトンカップファイナルを前に、ラッセル・クーツ(アリンギ)とクリス・ディクソン(オラクル)を迎えての記者会見がありました。会場に姿を現した二人を見て、ディクソンがピリピリしているのがわかりましたが、クーツは極めてリラックスした印象でした。

どちらのシンジケートもチームニュージーランドのフラ(付け足したハルアペンデージ)についてはプロテストするつもりがないらしく、ニュアンスとしては自分達も本番までには取り付けてくる可能性をにおわしていました。

ルイヴィトンカップファイナルからはオンボードオブザーバーといって審判が両艇のスターン近くに乗船し、オーバーラップの有無や艇がおかれている状況(タック完了とか、ダイヤルアップが終わったとか)を無線でアンパイアボートへ伝えながらレースをします。こういったシステムはニュージーランドでのマッチレースでは10年前から導入されており、実際に体験したセーラーには評判の良いものです。ルイヴィトンカップでは全てのシンジケートからの賛成を得られずにいたため、導入が遅れましたが、現在残っているシンジケートからは満場一致の賛同を得たため、今回から導入となりました。審判は5名で構成されていますが、2名がアンパイアボート、1名がウイングボート、2名がオブザーバーとしてレース艇に分乗してレース審判を務めます。ディクソンは「自分のチームのメンバーがいつもスターンでオーバーラップや現状をコールしているから、ここにオブザーバーが乗ってくれたら、情報が100%正確になり、乗り手としてはありがたい」とコメントしています。オブザーバーは青または黄色のジャケットを着てレース艇のエントリーサイドを示す旗のかわりにもなり、識別しやすくなっています。

チャレンジャーファイナルではジュリーからレーダーやレンジファインダーなどの電波を発信する機器を取り付けてはいけないことに念を押されています。今、話題の的になっているのはオラクルのスターンに取り付けられている「グース」とあだ名をつけられた装置で、これがレーダーだろうと想像されていたのですが、今回のレースでもグースは存在するというので、果たしてグースの役割は何かが注目されています。デザイナーのブルース・ファーは全てが終わった時に公開するといい、グースは謎に包まれたままです。今回も使うとなると、ボートのパフォーマンスデーターを艇上でトリマーや各部のキーパーソンにビジュアルに伝達するシステムではないか、自動車レースで使うシステムではないか。いろいろと考えられていますが、グースについては今後、更に謎を追及していきたいと思います。

第1レースのエントリーを決めるドローはクーツが先に引く権利をコインの裏表であてて、実際のエントリーは「青」、ポートエントリーを引き当てました。ディクソンはこの間、何もせずにいたわけですが、スターボードエントリーをもらい、「ラッセル、ありがとう」と初めて笑いました。初戦はオラクルがスターボード、アリンギがポートエンドからエントリーします。

ここまでのレース結果から判断して、予選からずっと勝ち進んできたアリンギが優勝候補には変わりありませんが、オラクルはここ1ヶ月での追い込みが凄く、ディクソンの表情には狂気じみた集中が見られます。意識の中からチームニュージーランドを追い出し、目の前にいるアリンギを倒すことに全力を傾けているあたり、最後のどんでんがえしもありえるかもしれません。しかし、その可能性があるとはいっても、本命がアリンギであることに変わりはなく、クーツのどっしりと構えた眠そうな顔は相変わらずです。

1月11日の天気予報は雨ですが、風はレースを行うコンディション内におさまるでしょう。ルイヴィトンカップもいよいよファイナル、アメリカスカップへのチャレンジャーを選ぶレースが明日から始まります。


クーツ


ディクソン



ルイヴィトンカップの成績や3Dのレースシーンを見るサイト(英語、仏語、伊語)は下記のとおりです。
「ルイヴィトンカップを見るサイト」
http://www.louisvuittoncup.yahoo.com
http://www.americascup.yahoo.com
ここへ接続し、 Results で成績を見てください。

文・写真:斉藤愛子

※本WEBページ掲載内容の無断転載を禁じます。



ホームページへ コンテンツへ インデックスへ