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ルイヴィトンカップ ファイナル 1月16日
幸運をよびこんだ最悪なジャイブ − オラクルが2分13秒差で初勝利!
今日のハウラキ湾はレース開始時間の1時15分には風が弱く、南からの海風が入ってきた2時過ぎまでレースのスタートが延期されました。昨日は北風が海風で、今日は南と、わけがわからないかもしれませんが、オークランドはニュージーランドの北島の一番細い部分になり、タスマン海と陸地、北側の南太平洋と陸地の両方から海風が入る地形で、今日はタスマン海からの風が勝ち、190度の風が10ノット弱のコンディションで3時20分にスタートしました。
スタートは相変わらずドラマの少ない平和なプレスタートで、ダイアルアップの後にオラクルがポートでスターボードのアリンギの前を通過した時に唯一Y旗がアリンギからあがりましたが、これはグリーンフラッグで、その後は両艇ともアプローチ体制に入り、オラクルが左側、アリンギが右からでました。スタート後はアリンギがタックして逃げ、すぐに右からの強めの風に合わせてスターボードタックに戻しました。左がいいと思っていたオラクルにとっては、ラッキー・リフトでした。そこから暫くリフトを走ることになり、風下側で苦しいオラクルは次に左へシフトが戻るまでずっと我慢して走り、何とか差がつかないようにしました。1上マークはアリンギが38秒先行で回航しました。
アリンギはその後、ジェネカーに加えてステイスルもあげ、ジェネカーだけのオラクルとジャイブマッチをする気配がありませんでした。オラクルはジェネカーだけの間にジャイブし、反対タックになってからステイスルを準備し、もう一度ジャイブしていこうとしたのですが、シートの取りまわしでミスがあり、ジャイブしかけた時にジェネカーがワイングラスになりました。そのままジャイブしてしまったら、最悪な事態に陥るため、すかさず元のコースに戻したのは良かったのですが、それからシートをつけかえるまでの2分半、レイラインを超えてしまいました。
しかし、この2分半のポートストレッチがオラクルにくれたものは、「風」という幸運でした。準備が整い、ジャイブした時にはレイラインを超えていたのですが、アリンギは先にラルにつかまりスピードが落ち、オラクルもマーク手前でラルに入るものの、あのミスジャイブのおかげで、かなりマークに近いところまでいってからラルになり、オーバーセールのおかげで余計な距離を走りましたが、ずっと風があり、なくなった時に角度をつけてスピードをつけて、マークへバウを向けることができました。アーリーポートでジェネカーを回収し、ジャイブラウンドで1下マークを回航するオラクルに、観覧艇からホーンがなり響き、声援がとびかいました。
オラクルが勝利を決定づけたのは、次のレグです。シフトも強弱も多い海面で、右奥の岸よりへ風を拾いにいく両艇はスターボードレイラインを超えるまでタックをしなかったため、オラクルのタイトカバーにあったアリンギは2回の余計なタックと1分余計にポートタックを走るはめになりました。そのロスが2上マークで本来ならアップウィンドで有利なアリンギに追い上げられずにすみ、そのマージンをダウンウィンドでアリンギよりも僅かに角度をおとして走れるスピードの利点を生かして、位置取りとブローを上手に使ってリードを広げました。風はスタートから50-60度変化し、マークも2下マークまで打ち変えばかりでした。そんなコンディションですから、一度リードを奪ったら有利ですが、オラクルは昨日からタクティシャンになってボート上で指示をとばしているディクソンが弱い風の中で、確実に風をとらえて、やっと得たチャンスを絶対に渡さない確実なレース展開を見せてくれました。そして、最悪なジャイブを見せたクルーワークは3上マークで完璧なスピンアップを見せるまでになり、このレースを通してオラクルは自信をつけたようです。最後まで緊張した面持ちのディクソンが笑ったのはフィニッシュまで後残り6分の時でしたが、それでもフィニッシュラインを横切るまでは1ポイントがもらえませんから、ミスないように眼を光らせていました。オラクルがアリンギよりも2分13秒先にフィニッシュした時、オークランドの海はまるでオラクルがルイヴィトンカップに勝ったかのような騒ぎになりました。オラクルが勝ってうれしいのか、アリンギが敗れてうれしいのか。それでも、何故か海上に出ていた観覧艇の多くをハッピーにしてくれる1勝でした。オラクルの応援団が乗っているボートには「Our victory starts today(我々の勝利は今日始まる)」と、書かれたプラカードが見られましたが、本当に今日から5連勝して逆転できるのか − 明日のレースで勝つことになればそれもあるのかもしれませんが、今から4勝しないとならないオラクルと2勝のアリンギというアリンギ優勢に変わりはありません。
アリンギの今日のミスは第2レグでオラクルがジャイブして岸に向かった時についていかなかかったことと、第3レグでスターボードレイラインを超えるまで岸へ突っ込んでしまったことです。タクティシャンのバタワースは「1下マークは正面に見えていたから、ジャイブする必要はないと思った。オラクルがレイラインを超えていって、風が残っていたのだから、本当なら追いかけてジャイブしておくべきだっただろう。軽風のレースでは先行艇のほうが風を先にひろってリードを広げるから、負けるほうは大負けすることが多い。時間さは気にしていない。ダウンウィンドはオラクルのほうが少し良いスピードかもしれないが・・・致命傷は2上でスターボードレイラインの先まで連れていかれたことだろう。もっと手前で何か手を打つべきだった。」といいます。対するオラクルはディクソンがタクティシャンになり、ホルムバーグが舵を持つコンビネーションが良いのもありますが、波がないことがボートを走らせやすいからスピードがあるという現状です。2艇の差は思ったほどありませんし、互いに有利な条件が異なります。どうやら、鍵を握っているのは「波」のようです。あれば、アリンギ、なければオラクル。これがACボートの性能の戦いなのでしょうか。しかし、多くの人が喜んだといっても、たかが1勝にかわりはありません。本命アリンギが底力を出して一気に逃げ切る可能性も高く、ルイヴィトンカップは決勝にふさわしい見ごたえある対戦がまだまだ続きます。

最初はアリンギがラッキーシフトで有利だったはずなのに・・・
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オラクルは最悪のジャイブからレイラインオーバーの岸よりパフをつか
み、38秒さから56秒差にひっくり返す大逆転!
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オラクルのオーナーであるラリー・エリソン所有のスーパーメガボートの
刀(かたな)が観覧艇に切り込みを入れて、初勝利をあげたUSA76(ACボート)に近
づきました。
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ブラッド・バタワースは相変わらずマイペースで記者会見の質問に淡々と答
えます。
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