|
フィン級はフィンランドで設計された一人乗りのディンギーで、1952年のヘルシンキからオリンピック種目になっています。体力、体格、ハンドリングの技術、そしてマストやセイルの技術開発と、両方を追求するクラスです。
オリンピックで4連続金メダルを獲得したデンマークのポール・エルブストロームがヘルシンキ、ローマと2回続けて金メダルを獲得しました。フィン級出身でソリング級、スター級、オフショアヨットからアメリカスカップまで、多くのトップセイラーを生み出したクラスです。
※写真1
フィン級は1枚の帆、1本のマストが勝負です。マストはカーボンファイバーでできていますが、ベンド量を体重やセイリングスタイルに合わせて建造します。マストの根本を堅くして上を柔らかくする、前後には堅め、サイドにはやわらかめなどなど、乗り手の好みに合わせて物を作るのです。セイルはマイラー生地が許されていますから、透きとおったビニール袋みたいに見える素材もでています。
体重が重たければ良かった時代は終わり、今は90−100kgのセイラーが思い切り体を動かして走るようになりました。特にダウンウインドではパンピングがききますから、動ける人と動けない人の差はてきめんです。
※写真2
アトランタで金メダルをとったマティアス・クスニエレヴィッチ(ポーランド)がシドニーでも連覇を目指します。安定したレース運び、ボートスピード、先端をゆくセイルとマストの開発、堅いボートハル、我が路をゆくマイペースさは他を圧倒しています。
追うのはアトランタで銀メダルだったセバスチャン・ゴドフロイド(ベルギー)です。98年から99年前半までは無敵だったゴドフロイドですが、99年後半から調子を崩していました。2000年の世界選手権で復活を果たし、今度こそ金メダルをと闘志に燃えています。
アトランタでメダル最有力とされながら5位に甘んじたフレデリック・ルーフ(スエーデン)は前回よりもリラックスした取り組みで、失敗から得た経験を生かしての挑戦です。また、イギリスのイアン・パーシーはマストとセイルの開発に時間をかけ、画期的なスピードを作りあげてきました。プレ五輪で優勝しましたから、本番でも強いと思います。
※写真3
日本からは黒田武士が2000年の世界選手権で枠取に挑戦しましたが、たった1度のトライでは世界の厚い壁に歯がたちませんでした。現在、ウエイティングリストの5番目ですが、そのうちの3カ国は国際ヨット連盟の推薦枠があります。また、上位の国で参加とりやめがでると繰り上げで参加枠がくる可能性があります。

(※写真1)
オリンピック金メダルの連覇を狙うマティアス。ポーランドのヒーローです。
(※写真2)
セバスチャンとコーチ。金髪を振り乱してフィンに乗るセバスチャンはライオンのように吠えまくります。(写真右)
(※写真3)
今度こそメダルを狙うスエーデンのフレデリック・ルーフ。
文・写真:斉藤愛子
|