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<< ミストラル女子は壮絶な金メダル争い >>
午前9時にハーバーブリッジの北側からスタートした女子マラソンの影響で、交通規制が厳しい朝でしたが、11時すぎに日本の高橋選手が金メダルをとったのをテレビで確認してからあわててミストラルのB海面、ブラドリーズヘッドへとでかけました。

写真1:勝たなければならないレースで勝った強いベテラン。
イタリアのアレサンドラ・センシーニは気迫のこもった走りでトップをとり、金メダルも獲得しました。ビバ、イターリア!
水際まで応援の人々でいっぱいのブラドリーズヘッドでしたが、最前線に陣取ったドイツ、イタリアの両応援団がスタートからずっと声援の送りっぱなしで、まるでサッカーの試合にいったかのようでした。「アメリー、アメリー」とドイツの選手の名前をずっとコールするかと思うと、なにやらわからないイタリア語でアレサンドラ・センシーニを応援するイタリアチーム。国旗がそこら中で翻ります。

写真2:「アメリー、アメリー」と叫び続けるドイツ応援団。
フィニッシュを見守るつかの間の沈黙が心臓に悪かったです。
ドイツが1点リードして始まった最終レースですが、このレースでイタリアがトップをとって勝つとタイブレークでイタリアの勝ちになります。イタリアに負けて2位で入ったらドイツは総合でも2位になってしまうため、1対1のさしで勝負という結果になりました。
2隻は他艇からどんどん離れてしまいながらも、逆転また逆転と凄い展開になりました。最後のランでフィニッシュが近づいた時、急にみんなが沈黙。イタリアが先にフィニッシュしたのを確認してイタリアチームが歓声をあげてシャンペンをあけました。ドイツはしばらく沈黙のままでしたが、気をとりなおして、「銀メダルに乾杯!」と円陣を組んで喜びました。
この決戦のすぐ後ろに今井がいて、一時は4位まであがり、スペインやフランスを逆転して総合8位に入れるかと力が入りましたが、混戦の中で上下があり、最後は8位でフィニッシュ。力の限りセーリングする今井はアトランタから4年、よくやりました。

写真3:プレッシャーのせいか、出だしでつまづいたオーストラリア。
最終レースが終わった後、海上ポリスが「早くハーバーへ戻れ」と合図するのを無視して家族が見守るブラドリーズヘッドへやってきました。
男子は2レースを行いましたが、1レース目が終了した時点でオーストリア、アルゼンチン、ニュージーランドの3選手がメダルを決め、最終レースの結果でそれぞれの色が決まる状況になりました。
ポイントで若干リードしていたオーストリアが最終レースも堅く走り、逃げ切りの金メダルです。オーストリアはトルネードに続いて2個目のセーリング金メダルです。銀はアルゼンチン、銅はニュージーランドになりました。見城は最初のレースでスタートのOCSで失格になり、最終レースもふるわず、20位でオリンピックを終わります。地元オーストラリアはメダルを逃したものの、4位と最後にはきっちりとつめてきましたし、アトランタ金のギリシャは最終レースを段トツで見事な走りを見せてくれました。

写真4:オーストラリアのラースは子供の顔がみたくて仕方がなかったのです。
C海面で行われた470は男子も女子も8レースを終えた時点でオーストラリアがトップにでました。2レース目はトラピーズでフルバランス、時々強めのブローであおわれることもありましたが、オーストラリア男子はその風の中で素晴らしいスピードで独走しました。ポルトガル、アメリカが続いていますが、多くのオーストラリアセイラーがプレッシャーの押しつぶされてしまった中で、470は活躍が続いています。男子は上位にいる艇をふるいにかけているような状態で、フランスがふりおとされそうな苦しい状況になりました。
重・木下が3位に浮上!
女子は重・木下が頑張って3位に浮上しました。ブローが強くなってきて苦しい部分もありましたが、よく踏ん張りました。上位8隻が10点以内にいて、厳しい競り合いが最後まで続きそうです。重・木下は第8レースでアルゼンチンについで2位で走っていたのですが、最終マークからフィニッシュまでのコースで、まだあと1周残っていると勘違いしたのか、スピンをおろしてクローズに上ってしまいました。3位で回航したスペインがスピンを張ったままなのをみてあわててスピンをあげますが、このロスはとりかえせず、抜かれて3位になってしまいました。上位が競っているだけに、この1点が最後にひびかないと良いのですが。
2位のウクライナは途中でクルーが落水してタックを失敗したり、らしからぬミスがみられますが、きっちりとオーストラリアにつけています。次の2レースが大きな山場になります。

写真5:混戦が続く470級では女子の重・木下が3位にあがってきました。
それにしても、ミストラル女子の決戦は手に汗にぎりました。ドイツのアメリーはオリンピックに派遣してもらえるかどうか、最後まで決まらなかった選手で、その彼女が代表に決まってからこれほどのレースをするまでに成長したことに驚きました。ベテランのイタリアに金はとられてしまったものの、凄いレースにブラドリーズヘッドに集まった観客は酔いしれました。
(9月24日発信)
文・写真:斉藤愛子
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